【アスオシ】ランニング本紹介「福士加代子」


こんにちは!あすきです!

今回は、私が読んだ陸上本を皆さんにご紹介していく

「あすき、ほんをよむ」


のコーナーです。

初回は、今年の3月にいろは出版より出版された『福士加代子』を紹介します!

概要

この本の主人公は、題名の通り、ワコールで活躍した福士加代子さんです。

トラックでは3000m、5000mで日本新記録を更新し、マラソンでは2時間22分17秒という自己ベストを持ち、オリンピックに4回、世界陸上に5回も出場されています。

こんな1文で福士さんの華々しい実績は到底書き切れるものではありませんが、特筆すべきは中距離からマラソンまでマルチに活躍された点だと言えるでしょう。

そして、メディアの前でも常に笑顔、かつストレートな発言で多くの方から注目される存在でした。

そんな福士さんが自身の陸上人生を振り返って、当時感じていたこと、今となっては言えることが記されているのが、今回ご紹介する本になります。

この本から学べること

「負けたことに負けるな。」
p106

福士さんは2002年の日本選手権10000mで3連覇を果たし、2004年のアテネオリンピックに出場しました。その準備過程で追い込み過ぎてしまい、故障してしまいます。

結果的に、自己ベストより3分近く遅いタイムで27人中26位と悔しい結果に終わってしまいました。
そのレースの後、悔し涙を流す福士さんに高校時代の恩師である、安田先生がかけた言葉が

「負けたことに負けるな」

でした。


福士さんはこの本の中で、「「負けたことに勝って来い」だったら、そのときの私は苦しくて受け止められなかったと思う。だけど、「負けるな」だったから、つらかったけど腑に落ちた。」と回想しています。

これは、非常に奥深い言葉だと思っていて、陸上長距離をしている方の多くは、完璧を追い求める方が多い印象があります。

練習の過程でも決めたことを必ずやり遂げようとする方が多いですが、それは本当に素晴らしいことです。

ただ、それが崩れた時にとことん崩れてしまう方も同様に多い。

私もそういうタイプでしたが、順調な時はノリノリでやれるけれど、ちょっと上手くいかなかった時に、ぱったり辞めてしまう。みたいな経験ありませんか?

陸上競技をしていると、どんなレベルのランナーでも大きな負け、小さな負けをたくさん経験します。
それを毎回プラスに変えることってなかなか難しいですし、大変です。

しかし、何度も負けを経験することで、立ち直る術を見つけたり、最低限「なかったことにする」術を持つ必要があります。

失敗の経験を絶対プラスにしようとすると、どこかで無理してしまうこともありますが、1度失敗しても長期的でもいいので、±0に持っていける術を身に付けていくことはランニング以外にも生かせることだと感じます。

あすき的キーワード

この本で出てきた言葉で印象に残った言葉をいくつか紹介します。
この言葉の意味や経緯を知りたい方は実際に読むことをオススメします。


・「なんで?なんで?」と自分を責めない
・走り続けたら、すっぽんぽんになれた!
・かっこいい最下位
・レースを支配する
・福士さんのためなら120%、150%の仕事をしたい

もう少し知りたかったこと

文章の長さ的にも省く必要があったのかもしれませんが、私的には腑に落ちない点もありました。
それは、故障からの復帰があまりにも早すぎる点です。

この本では、福士さんが故障した際のエピソードが何度か出てきました。

その度に治療をして、何とかレースに間に合わせて結果を残していくのですが、平凡ランナーからすると、「そんなに故障していて何で日本一になれるの!?」と感じてしまいました。

「半年故障をしていたのに1か月で戻して日本選手権優勝した」みたいなエピソードが多く、天才なのか!?と驚愕しました。

いや、天才ではあると思うし、「努力の天才」でもあるとも思いましたが、この故障の期間にどんな努力をしたら、こんなに早く復帰できるのかがすごく気になりました。

まとめ

他にも、恩師から見た福士さん、親友から見た福士さん、後輩から見た福士さんの姿が書かれていました。
この本を読むと、特に、新谷仁美選手、一山麻央選手、田中希実選手など今まさに第一線で活躍する選手も福士さんにたくさんの影響を受けていることが分かります。

これだけ周囲に影響を与えられる選手は少ないので、まさに日本陸上界の歴史に残る選手です。

皆さんも是非、この本を読んでみてください!



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